企画部の活動報告
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【全国基本調査】
第1 全国基本調査の概要
1 調査の目的
全国基本調査は、本会の事業の柱に掲げる『学校の管理運営並びに事務長の職務・職制等に係る調査、研究活動』の一環として、事務長の職務・職制・処遇等に関する全国公立学校の実態をできる限り正確に把握して、その資料を多方面に分析することにより、本会の目的の達成実現を図るとともに、各都道府県市の抱える諸問題等の解決に向けた基礎的・客観的な資料を継続して提供することにある。
2 調査対象
全国基本調査の対象は、全国47都道府県立及び名古屋・京都・神戸・広島の4大市立の高等学校、中等教育諸学校、特別支援学校、高等専門学校の事務長(相当職を含む)である。
3 調査報告の内容
本稿は、『第2調査結果の概要』、『グラフ』9点並びに『要覧・集計表』10点で構成している。また、資料として『事務長等の職務権限と処遇に関する県市別個表』を作成している。
第2 調査結果の概要
1 学校総数及び事務長の総数
(1)高等学校数(市町村組合立を含まない)は2,682校で、令和4年度と比較し26校の減少(休会中等の9県市を除く)また、従前は高等学校の内数としていたが、24年度より新たな校種の欄を設け集計した中等教育学校は26校となっており、昨年度と変わらず。(内数であるが中高一貫校は89校で、昨年度から1校減)休会中等の9県市を除いた、高等学校の減少は、中等教育学校の校数を含めても、平成30年度2,761校から令和5年度2,708校と推移しており、過去5年間で53校が減少したことになる。特別支援学校は758校で、昨年から1校減少(休会等県市を除く)している。ここ十数年来、児童生徒の減少から高等学校では統廃合が行われ減少傾向にあるのと反対に、特別支援学校は年々増加する傾向が続いていたが、今年に限っては特別支援学校に減少が見られた。
(2)事務長総数(市町村組合立を含む)は3,541名。令和4年度の3,622名から81名減少している。過去の統計では平成18年度から23年度までの5年間で200名減少し、26年度まで減少し続けていた。27年度からは大きな増減はみられず、3,600名程度(休会等県市を除く)で、比較的安定的に推移していたが、令和2年度から再び減少し始めている。
2 課長補佐級以上の事務長の割合
(1)事務長総数(市町村組合立を含まない)3,431名のうち、課長級680名(19.8%)、課長補佐級1,999名(58.3%)、係長級752名(21.9%)で、昨年度と比較すると課長級は0.9%減、課長補佐級は0.3%増、係長級は0.5%増となっている。昨年度から本年度にかけて、課長級、課長補佐級、係長級全ての割合の増減が1%未満であることから、多少の増減は見られるものの、現在は安定した状況が続いていると考えられる。
(2)事務長の年齢構成は、課長級については、56歳~60歳が680名中517名(76.0%)、51歳~55歳では、129名(19.0%)。課長補佐級については、56歳~60歳が1,999名中746名(37.3%)、51歳~55歳が1,999名中777名(38.9%)となっている。いずれも近年大きな変動はない。本年度の60歳以上の事務長総数は14都道府県市285名(課長級27名、課長補佐級215名、係長級43名)となっている。
3 管理職手当支給人員及び今後の傾向
(1)管理職手当支給人員は3,431名中2,428名(70.8%)、全国平均の管理職手当支給人員率は、平成13年度以降22年連続で70%台になっている。
(2)課長級の手当支給人員は668名(課長級総数のうち98.2%)、課長補佐級1,296名(課長補佐級総数のうち64.8%)、係長級464名(係長級総数のうち61.7%)となっている。
(3)管理職手当については、定額制により支給される県市がほとんどであり、今年度、定率制を導入している県市は3県であった。
【その他の調査】
全国基本調査は、『事務長の職務』に登載され、研究協議会並びに総会において報告している。これとは別に地区代表者会、理事会等で公表してきた調査として次のようなものがある。
≪①から㊸(昭和53年~平成21年は、記載省略≫
㊹ 平成22.12.3『政令指定都市における学校徴収金等の徴収状況に関する報告』
授業料の無償化に伴う、政令指定都市での学校徴収金・団体徴収金の口座振替状況等を情報収集し、動向を報告した。
㊺ 平成24.12.7『事務長の財務・庶務に係る職務権限に関する調査』(5年毎の定期調査)
5年ごとに行う定期調査の期間がずれ込んだために庶務と財務の職務権限について同時に行った。
㊻ 平成25.6.14『再任用職員雇用について』
60歳定年後の再任用制度について各県の制度について調査をした。
㊼ 平成25.12.6『授業料の不徴収等に関する法律改正について』
授業料の不徴収等に関する法律の一部改正の法案成立後、各都道府県市の対応等について調査した。
㊽ 平成26.6.13『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度に関する法律の一部改正が施行され、各都道府県市の事務手続きについて調査した。
㊾ 平成26.12.5『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度に関する、各都道府県市の事務手続きについて再調査し、浮かび上がってきた問題点・要望を報告した。
㊿ 平成27.6.12『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度が施行されて2年目に入り、各都道府県市の事務手続きや改善・簡素化された点、残された問題点等について再々調査し、集計・分析を行った。
51 平成28.6.10『チーム学校について』
中央教育審議会からの「チームとしての学校・教職員の在り方について」の答申を受けて、今後「チーム学校」を実現していくための諸課題を明らかにし、解決方策を探るための調査を実施した。(兵庫県立学校事務長会自主研究グループからの依頼による。)
52 平成28.12.2『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度が施行されて3年目になる。付帯決議により予定されている制度の見直しの前に、各都道府県市の事務手続きの現状や改善・簡素化された点、制度そのものの問題点等について、改めて調査を実施した。文部科学省に報告書を提出し、今後の検討材料にしていただくようお願いをした。
53 平成29.6.9『学校事務等におけるアウトソーシング導入状況等について』
北海道における学校事務の効率化・省力化について、より具体的な取組方策を検討するために、各都道府県市の取組状況を把握するために調査を実施した。
(北海道立学校事務長会調査研究部からの依頼による。)
54 平成29.8.3『全国大会発表『事務長の視点』に関するアンケート』
平成29年度全国大会研究協議会において茨城県より発表される「事務長の視点」に関するアンケート調査を行った。具体的な内容は、各都道府県市の「監査・会計検査時の指摘事項」「新任事務長の研修制度」などについてである。(茨城県県立学校事務長会財政委員会からの依頼による。)
55 平成30.7.2『平成29年度第3回全国理事会での質問等に関するアンケート』
平成29年度第3回理事会の情報交換(情報シート)の際にいただいた質問に関するアンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
56 令和元.7.1『平成30年度第3回全国理事会での質問等に関するアンケート』
平成30年度第3回理事会の情報交換(情報シート)の際にいただいた質問に関するアンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
57 令和元.11.5『学校における働き方』の実態調査に関するアンケート
学校現場における現状の課題や問題を把握するため、アンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
第1 全国基本調査の概要
Ⅰ 調査の目的
全国基本調査は、本会の事業計画の柱の一つに掲げる「学校の管理運営並びに公立学校等の事務長の職務・職制に関する研究活動」の一環として、事務長の職務・職制・処遇等に関する全国の実態を、できる限り正確に把握して、その資料を多方面に分析することにより、本会の目的達成実現を図るとともに、各都道府県市の抱える諸問題等の解決に向けて、基礎的・客観的な資料を継続して提供することにある。
Ⅱ 調査対象
全国基本調査の対象は、全国47都道府県立及び横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島の6大市立の高等学校並びに特別支援学校の事務長である。
Ⅲ 調査報告の内容
本稿は、「第2 調査結果のまとめ」、「グラフ」10点並びに「要覧・集計表・県別個表」12点で構成している。 また106項の別冊資料として「事務長等の職務権限と処遇に関する県市別個表」を作成している。
第2 調査結果のまとめ
1 学校総数及び事務長の総数
①高等学校数は3,542校で、21年度と比較し40校の減少。この4年間で224校減少。特別支援学校は789校で、昨年度から6校増加。4年間で21校の増。また中高一貫校については、94校で昨年度から10校の増。学校総数は22年度4,331校で、前年度4,365校から34校の減少となっている。
②事務長総数は4,268名で、昨年度から53名減少。4年間で186名減少。
2 課長補佐級以上の事務長の割合
①事務長総数4,268名のうち、課長級は888名(20.8%)、課長補佐級は2,710名(63.5%)で、課長級は昨年度から0.6%減少しているが、課長補佐級は昨年度から0.2%増。課長補佐級以上の割合は、20年度に前年比で約1%増加したが、21年度に3%減少し、22年度は3,598名(84.3%)と更に0.4%減少。事務長総数の減少に対して課長補佐級が減少し、係長級が増加する傾向は継続している。
②事務長の年齢構成は、課長級について、56歳~60歳では、888名中698名(78.6%)、51歳~55歳では、165名(18.5%)と年度により増減して推移。課長補佐級について、56歳~60歳では、2,710名中1537名(56.7%)と構成割合が増加し、51歳~55歳では、2,710名中957名(35.3%)と低下し、課長補佐級の高齢化を示す集計結果となった。
3 管理職手当支給人員及び今後の傾向
①管理職手当支給人員は3,010名(70.5%)で、全国平均の管理職手当支給人員率は、平成13年度以降10年連続で70%台になっている。
②課長級の手当支給人員は871名(課長級総数のうち98.1%)、課長補佐級は1,818名(67.1%)、係長級は321名(47.9%)。
③管理職手当については、従来の定率制に代わり定額制により支給される県市が年々増加している。平成18年度の2県市から今年度は41県市となった。
第1全国基本調査の概要
1調査の目的
全国基本調査は、本会の事業計画の柱の一つである「学校の管理運営並びに公立学校等の事務長の職務・職制に関する研究活動」の一環として、事務長の職務・職制・処遇等に関する全国の実態をできる限り正確に収集・把握してその資料を多面的に分析することにより、本会の目的達成実現を図るとともに、各都道府県市の抱える諸問題等の解決に向けて、基礎的・客観的な資料を継続して提供することにある。
2調査対象
全国47都道府県立及び横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島の6大市立の高等学校並びに盲・ろう・養護学校の事務長である。
3調査報告の内容
「研究収録 事務長の職務」P160~P182及び別冊「事務長の職務権限と処遇に関する県市別個表」に掲載されている。昨年度から新様式による回答集計用紙を使用し、データーベース(Excel)による調査各表の自動入力を図っているが、今回新様式に対するデーターの反映に一部不備がみられた。そのため、データーベースの精度のより一層の向上が来年度に向けての課題となっている。「事務長等の職務権限と処遇に関する県市別個表」については、昨年度に引き続き、ホームページ掲載やCD-ROM化について検討していく。
第2 本年度調査結果のまとめ
1本年度の調査報告の骨子
全国平均の管理職手当支給人員率は5年連続70%台、かつ過去最大71,5%。(昨年度より0.3ポイント上昇)
手当支給人員3,209名で昨年度10名減。
全員支給27県市(50,9%)
課長級各付は、1,076名で昨年より9名減。
国俸給表基準は8級以上2,663名(58,5%)。
2学校総数の傾向
1.高等学校は3,806校で、この中には中高一貫校が41校含まれている。盲・ろう・養護学校は771校で、学校総数は4,577校となっている。新しいタイプの学校の設置に伴う新設、課程変更、廃止の動きが全日制、定時制間で顕著な動きを示している。
2.事務長総数は4,491名で、事務長兼務校は59校となっている。
3各付け・特別昇給の受給比率と事務長の高齢化
1.8級職相当人員は2,434名(53,5%)で、9級職は212名(4,7%)、10級職は17名(0.4%)であり、合計2,663名となっている。
2.51歳以上の事務長総数は3,884名で、17名増と依然高齢化傾向である。
4最近5年間の管理職手当支給人員率
1 管理職手当支給人員は3,209名(71.6%)となっている。
13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 17年度 |
70.4% | 70.2% | 70.8% | 71.2% | 71.5% |
調査部では、事務長や事務職員の職務・処遇等に関し、調査・統計・資料作成などを行っています。平成16 年度に実施し、報告した調査等や今後の調査予定についてお知らせします。
1 既に実施し、報告した調査
(1) 調査1.「事務の効率化・センター化等の動向に関する調査」(平成16 年11月理事会で報告済)
○集計結果の概要→トピックス 「事務の効率化」回答総括参照(PDFファイル)
(2) 調査2.「今後、事務長会が取り組むべき課題等に関するアンケート」(平成16 年11月理事会で報告済)
○集計結果の概要→ トピックス「取上げるべき課題」回答概要参照(PDFファイル)
2 今後の調査部活動予定
(1) 全国基本調査の実施
本会の事業計画「学校の管理運営ならびに公立学校等の事務長、事務職員の職務、職制に関する研究」に基づく毎年継続的に実施している基本的な調査です。3月10日付で、実施通知及び回答用紙を各都道府県市の会長宛に送付しました。回答の〆切は、平成17年5 月20 日(金)です。よろしくお願いします。
○通知文 → トピックス「全国基本調査」通知文参照(PDFファイル)
(2) その他の調査予定(検討中)
今後は、研究部とも調整しながら、1 の(2)の結果から、新たなテーマで調査を実施するか、既に実施した調査から分析を行うかを検討中です。追ってお知らせします。
全国基本調査報告(15,4,1現在)の骨子 |
○ 本年の全国調査報告のポイント:
|
1 学校総数(生徒数の減少)の減少傾向
高等学校は10校減、盲・ろう・養護学校は1校減、総数4,601校で計11校減 (6大市以外の市町村立組合立の学校を除く) 事務長総数は4,555名(教育部門地方公務員総数の0.39%)で18名減 財政難自治体の高コスト体質の是正方策として職員削減の動きがより顕著になりつつある。 |
2 事務長の高齢化と格付・特別昇格の受給比率の増加傾向:
8級職(困難課長補佐職)相当人員66名増(58.5%)9級(室長・課長職相当) 30名増(7.0%)10級(特別困難課長級相当職)1名増18名(0.4%)増数計は97名である。8級以上が3,001名(65.9%)に達した:特別昇格含む 団塊の世代53から55歳(平成15年4月現在)が中核となる年代は2,089名 (45.9%)最多年代となる。課長級は、7名増の1,025名(22.5%、56から60歳は24名増)、課長補佐級は、3名減2,921名(64.1%、56から60歳は61名増)係長級は、22名減の609名(13.4%、40歳まえ6名減)。 女性の総数は毎年増加傾向(事務長総数の15,4%)にあり、事務長総数18名減の4,555名のなか、13名増で0.4ポイント増となった。 |
3 最近5年間の管理職手当支給人員率の微増:
手当支給人員総数3,223名(70.8%、11名増) 13年度70.4%、14年度70.2%で全国平均の管理職手当支給人員率は3年連続70%台、かつ過去最大の増加(昨年度より0.6ポイント上昇) 1 課長級、課長補佐、係長級全ての手当支給人員率が微増(0.1~0.6%増) 2 全員支給29県市(54.7%)で昨年と変わらず |
4 事務長の代決権・専決権等職務権限に変化みられず
財務に関する専決権を有するのは24県市だが内訳は一般需用費、役務費共に24県市、備品購入費18県市(平成14年度11月29日全国理事会調査部資料)で変わらず。 北海道・東北ブロックは7県市100%を占めている。東海・北信越ブロック8県市(80%)、中四国ブロック4県市(40%)、近畿ブロック3県市(33%)、関東ブロック2県(22.2%)九州ブロックは予算科目上の専決権が見当たらない状況にある。 但し、三重県では本年6月1日に専決権の委譲があり、愛媛県では代決権の委譲につき、11月に検討を開始する。 |
5 次年度に向けての課題
数値の正確性、統計化の工夫、多面的分析力の強化を図るとともに基本調査資料の活用、印刷物のスリム化に向け、調査結果の一部を冊子掲載からホームページ掲載への切替えを検討する。 |
調査研究部の活動報告
〔上記報告と同一内容〕
【全国基本調査】
第1 全国基本調査の概要
1 調査の目的
全国基本調査は、本会の事業の柱に掲げる『学校の管理運営並びに事務長の職務・職制等に係る調査、研究活動』の一環として、事務長の職務・職制・処遇等に関する全国公立学校の実態をできる限り正確に把握して、その資料を多方面に分析することにより、本会の目的の達成実現を図るとともに、各都道府県市の抱える諸問題等の解決に向けた基礎的・客観的な資料を継続して提供することにある。
2 調査対象
全国基本調査の対象は、全国47都道府県立及び名古屋・京都・神戸・広島の4大市立の高等学校、中等教育諸学校、特別支援学校、高等専門学校の事務長(相当職を含む)である。
3 調査報告の内容
本稿は、『第2調査結果の概要』、『グラフ』9点並びに『要覧・集計表』10点で構成している。また、資料として『事務長等の職務権限と処遇に関する県市別個表』を作成している。
第2 調査結果の概要
1 学校総数及び事務長の総数
(1)高等学校数(市町村組合立を含まない)は2,682校で、令和4年度と比較し26校の減少(休会中等の9県市を除く)また、従前は高等学校の内数としていたが、24年度より新たな校種の欄を設け集計した中等教育学校は26校となっており、昨年度と変わらず。(内数であるが中高一貫校は89校で、昨年度から1校減)休会中等の9県市を除いた、高等学校の減少は、中等教育学校の校数を含めても、平成30年度2,761校から令和5年度2,708校と推移しており、過去5年間で53校が減少したことになる。特別支援学校は758校で、昨年から1校減少(休会等県市を除く)している。ここ十数年来、児童生徒の減少から高等学校では統廃合が行われ減少傾向にあるのと反対に、特別支援学校は年々増加する傾向が続いていたが、今年に限っては特別支援学校に減少が見られた。
(2)事務長総数(市町村組合立を含む)は3,541名。令和4年度の3,622名から81名減少している。過去の統計では平成18年度から23年度までの5年間で200名減少し、26年度まで減少し続けていた。27年度からは大きな増減はみられず、3,600名程度(休会等県市を除く)で、比較的安定的に推移していたが、令和2年度から再び減少し始めている。
2 課長補佐級以上の事務長の割合
(1)事務長総数(市町村組合立を含まない)3,431名のうち、課長級680名(19.8%)、課長補佐級1,999名(58.3%)、係長級752名(21.9%)で、昨年度と比較すると課長級は0.9%減、課長補佐級は0.3%増、係長級は0.5%増となっている。昨年度から本年度にかけて、課長級、課長補佐級、係長級全ての割合の増減が1%未満であることから、多少の増減は見られるものの、現在は安定した状況が続いていると考えられる。
(2)事務長の年齢構成は、課長級については、56歳~60歳が680名中517名(76.0%)、51歳~55歳では、129名(19.0%)。課長補佐級については、56歳~60歳が1,999名中746名(37.3%)、51歳~55歳が1,999名中777名(38.9%)となっている。いずれも近年大きな変動はない。本年度の60歳以上の事務長総数は14都道府県市285名(課長級27名、課長補佐級215名、係長級43名)となっている。
3 管理職手当支給人員及び今後の傾向
(1)管理職手当支給人員は3,431名中2,428名(70.8%)、全国平均の管理職手当支給人員率は、平成13年度以降22年連続で70%台になっている。
(2)課長級の手当支給人員は668名(課長級総数のうち98.2%)、課長補佐級1,296名(課長補佐級総数のうち64.8%)、係長級464名(係長級総数のうち61.7%)となっている。
(3)管理職手当については、定額制により支給される県市がほとんどであり、今年度、定率制を導入している県市は3県であった。
【その他の調査】
全国基本調査は、『事務長の職務』に登載され、研究協議会並びに総会において報告している。これとは別に地区代表者会、理事会等で公表してきた調査として次のようなものがある。
≪①から㊸(昭和53年~平成21年は、記載省略≫
㊹ 平成22.12.3『政令指定都市における学校徴収金等の徴収状況に関する報告』
授業料の無償化に伴う、政令指定都市での学校徴収金・団体徴収金の口座振替状況等を情報収集し、動向を報告した。
㊺ 平成24.12.7『事務長の財務・庶務に係る職務権限に関する調査』(5年毎の定期調査)
5年ごとに行う定期調査の期間がずれ込んだために庶務と財務の職務権限について同時に行った。
㊻ 平成25.6.14『再任用職員雇用について』
60歳定年後の再任用制度について各県の制度について調査をした。
㊼ 平成25.12.6『授業料の不徴収等に関する法律改正について』
授業料の不徴収等に関する法律の一部改正の法案成立後、各都道府県市の対応等について調査した。
㊽ 平成26.6.13『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度に関する法律の一部改正が施行され、各都道府県市の事務手続きについて調査した。
㊾ 平成26.12.5『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度に関する、各都道府県市の事務手続きについて再調査し、浮かび上がってきた問題点・要望を報告した。
㊿ 平成27.6.12『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度が施行されて2年目に入り、各都道府県市の事務手続きや改善・簡素化された点、残された問題点等について再々調査し、集計・分析を行った。
51 平成28.6.10『チーム学校について』
中央教育審議会からの「チームとしての学校・教職員の在り方について」の答申を受けて、今後「チーム学校」を実現していくための諸課題を明らかにし、解決方策を探るための調査を実施した。(兵庫県立学校事務長会自主研究グループからの依頼による。)
52 平成28.12.2『高等学校等就学支援金について』
高等学校等就学支援金制度が施行されて3年目になる。付帯決議により予定されている制度の見直しの前に、各都道府県市の事務手続きの現状や改善・簡素化された点、制度そのものの問題点等について、改めて調査を実施した。文部科学省に報告書を提出し、今後の検討材料にしていただくようお願いをした。
53 平成29.6.9『学校事務等におけるアウトソーシング導入状況等について』
北海道における学校事務の効率化・省力化について、より具体的な取組方策を検討するために、各都道府県市の取組状況を把握するために調査を実施した。
(北海道立学校事務長会調査研究部からの依頼による。)
54 平成29.8.3『全国大会発表『事務長の視点』に関するアンケート』
平成29年度全国大会研究協議会において茨城県より発表される「事務長の視点」に関するアンケート調査を行った。具体的な内容は、各都道府県市の「監査・会計検査時の指摘事項」「新任事務長の研修制度」などについてである。(茨城県県立学校事務長会財政委員会からの依頼による。)
55 平成30.7.2『平成29年度第3回全国理事会での質問等に関するアンケート』
平成29年度第3回理事会の情報交換(情報シート)の際にいただいた質問に関するアンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
56 令和元.7.1『平成30年度第3回全国理事会での質問等に関するアンケート』
平成30年度第3回理事会の情報交換(情報シート)の際にいただいた質問に関するアンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
57 令和元.11.5『学校における働き方』の実態調査に関するアンケート
学校現場における現状の課題や問題を把握するため、アンケート調査を行った。各都道府県市での取組状況を把握し、提示することで、全体への情報共有を図ることを目的とする。
概 要
・目 的
各都県市で、授業料実質無償化に伴う学校徴収金の徴収方法・手数料負担等について現在の状況の回答を頂き、全国的な情報の提供を行う。
・アンケートについて
調査項目の設定は、簡潔にわかりやすさを心がけたため、詳細な記述をした都県市も表現をまとめさせていただいた。
単純に表をみて、比較・検討して、各都県市・教育委員会の考え方、今後の予想される状況など把握できるように考えた。
まとめ
1 学校徴収金について
・授業料徴収システムを継続利用……………53都県市の半数以上が利用
授業料徴収システムを利用の1/2の都県市が手数料を公費負担
(公費負担のほとんどの都県市が、授業料徴収システムのみ利用)
*5山形県 今後要検討 12千葉県 1年限りの緊急措置
26長野県 半年間の暫定措置
43徳島県 県教委主催ワーキンググループで検討
・授業料徴収システムを継続利用と個別金融機関利用……………2割弱が利用
ほとんどの都県市で手数料は保護者負担
・個別金融機関を利用 3割弱
例外を除き手数料は保護者負担
・独自のシステムを開発あるいは個別金融機関のシステムを利用
4 岩 手 県 業務委託による連合会システム
8 茨 城 県 授業料システム
18愛 知 県 口座振替集金代行システム
31和歌山県 地方銀行とフロッピーディスク交換
52鹿児島県 金融機関ネットワーク
・手数料について(53都県市)
公費負担……4割弱 保護者負担……6割強
・公費負担一部保護者負担等(特筆する都県市)
23富山県 36奈良県
2 修学旅行積立金について
3 学校徴収金・修学旅行積立金の督促について
本年度、全国事務事務長会研究部では、「学校事務センター化をめぐる諸問題」と「ペイオフ対策の現状と課題」という二つのテーマを取り上げて研究を進めてきた。
1 学校事務センター化をめぐる諸問題
近年、総務事務センター化を含む学校事務センター化の動きが各県市で出始めていることに鑑み、研究部では、本年度このテーマの研究に着手した。具体的には、研究協議会においてパネルディスカッションを行い、各パネラーからの報告と質疑、討論を行うことによって、会員諸氏が共通理解を持てるように図った。なお当日の研究会概要については本誌11、12ページに掲載してあるので、ここでは省略させていただく。
2 ペイオフ対策の現状と課題
本年4月からペイオフが全面解禁になり、金融機関が経営破綻した場合、普通預金及び定期預金の預金合計が1,000万円までしか保護されないことになった。このことは、学校にとっては、各種の学校徴収金(学年積立金、生徒会費、PTA会費など)の管理について早急に何らかの対応を迫られる問題になっている。そこで研究部では、各都道府県・指定都市事務長会を対象にアンケート調査を行い、ペイオフへの対応の状況を調べてみた。
主な回答を見ると、「ペイオフ対策を検討しているか」という設問には、「検討している」39県市、「検討していない」14県市であった。また検討している県市にその検討内容を聞いたところ、「決済用預金に変更」という回答が28県市にのぼっていた。
「ペイオフ対策について県市での統一的な具体的方針があるか」という設問には、「ある」が14県市、「ない」が39県市であった。「統一的な具体的方針がない場合のペイオフ対策」については、「各学校独自で対策を講じている」が27県市、「特に対策を講じていない」が9県市、「その他」が3県市であった。
ペイオフ対策について具体的に講じている対策」としては、多い順に「決済用預金に預け替えする」40県市、「預金額が一金融機関につき1,000万円以内になるように金融機関を分散」22県市、「安全性の高い金融機関を預金先に選ぶ」11県市、「修学旅行経費を保護者が直接旅行業者に支払う又は積み立てるようにする」7県市、「名寄せされた場合に1,000万円を超えないよう口座名義・規約等を整備する」5県市、「その他」4県市であった。規約の整備や預金口座名義についての詳細は『事務長の職務』に譲る。
上記の設問にもあったが、学校徴収金の中で最も高額になる修学旅行積立金の徴収方法についても聞いてみたところ、「学校で毎月徴収している」25県市、「学校で一括徴収している」4県市、「保護者が旅行業者へ一括支払い」12県市、「保護者が旅行業者へ分割積立て」23県市であった。
以上の詳細については、『事務長の職務』をご覧いただきたい。なお、回答に当たっては、各県市で統一的な基準がない場合は回答者の所属校などの例を挙げていただいたので必ずしも各県市全体の状況をそのまま反映したものではないことをお断りしておく。
本年度、全国事務長会研究部では、二つのテーマを採り上げて研究を進めてまいりました。
1 公務員制度改革の検討
第一は、公務員制度改革の検討についてです。
公務員制度改革大綱によれば、平成15年度末までに、国家公務員法の改正案が国会に提出されるスケジュールとなっており、今回の発表では、制度改革の姿が具体的なものになっているであろうことを前提にして、発表ができると考えていたわけですが、このスケジュールは大幅に遅れており、現時点にいたるまで、国家公務員法改正案は国会に上程されておらず、制度改革についての検討も進捗していないようです。
こういう状況ですので、公務員制度改革については、ひと言触れておくだけにしたいと思います。
それは、今回の公務員制度改革の主眼は、給与も、任用格付けも、能力とか業績というものを重視した制度に移行していくということです。
事務長は、近年の学校改革の大きな流れの中で、学校の個性化・特色化、あるいは自律的な学校経営などの諸施策を進める上で、中核的な役割を担っております。地方公務員の公務員制度の改革は、各地方自治体において企画検討されるわけですが、その際に、こうした事務長の職務・役割の重要性というものに、人事当局が十分考慮していただくよう、望みたいと考えています。
2 私費会計の現状と課題
二番目として、「私費会計の現状と課題」についてまとめました。
個別の論点を掘り下げた研究につきましては、各地区・県市の研究成果、それから、明日の第二分科会にゆずりまして、われわれとしては、全国組織という性格をふまえて、各県市で、現状がどのようになっているのか、直面している課題はどういうものか、ということについてアンケートを行いました。
まず、私費会計全般についてご説明します。大半の県市では、授業料と一緒に徴収しております。しかし最近、金融機関の方で、公金でない部分は公金と一緒には取り扱わないという傾向が出てきております。
次に、私費会計の事務処理については、汚職の防止とか、保護者への説明責任といった観点から、事務処理の透明性・公平性が強く求められ、ほぼ9割の県市で、県教委からの通知・指導があると答えています。また、私費会計マニュアルを作っている県市は、55%となっています。
具体的に、私費会計の事務処理を透明化・公平化するということは、公費の手続に準じて進めるということになるかと思います。そこで、高額の契約について、公費に準じて入札や競争見積などの手続をとっているかどうか、業者選定委員会を設置しているかどうかを聞きましたところ、修学旅行については、8割以上の県市で、入札等を行い業者選定委員会を設けていました。卒業アルバムがこれに次いで多く、制服や体操服については、半分以下の実施にとどまっております。
これらについても、今後、何らかの形で、保護者等に説明のつくような公正な事務処理が求められていくのは間違いのないところです。次に、公費の不足分を私費会計から支出しているかどうかを調べました。その結果、ほぼ半数の県市で公費不足の補填をしていることがわかりました。それから、私費会計について、各県市で現在問題になっている、あるいは検討課題になっていることを質問をしました。主な回答として、
・私費会計の未納が増加している。授業料の未納には退学処分という手があるが、私費の未納にはそうした対応手段がない、という問題 ・私費会計に携わる教職員の服務上の取扱い。要するに、職員が私費会計の事務に割いている時間を、公務とみてよいのか、職務専念義務免除なのか、といった問題・汚職事故防止のための方策を検討中というところ ・県内で統一的な事務処理方法を確立するために、マニュアルの作成に取り組んでいるという所。 ・徴収金を口座引き落としする際に、口座振替手数料がかかるようになったという問題 ・売店の収益などに対して消費税・法人税が課税されるようになったという問題。これは、同じような収益的な事業を行っている場合に、全国的に波及してくる問題になろうかと思われます。 |
本年度研究部では、メインテーマとして「公務員制度改革」を取り上げました。研究の内容は、大きく二部構成となっています。
1 第一部は、「公務員制度改革の現状」について考察しました。
(1) | まず最初に、公務員制度改革がなぜ打ち出されるようになったのかという観点から、「公務員制度改革の背景」について検討しました。ここでは、一連の行政改革の流れの中から出てきたこと、内外の情勢の変化に対応しなければならなくなったこと、公務員倫理の低下に対する国民の批判の高まり、などの要因を指摘しています。 |
(2) | 次に、「公務員制度改革の概要」として、平成13年4月に政府が発表した「公務員制度改革大綱」の内容を紹介しています。大綱の内容は、多岐にわたっていますが、あえて一言で表現すれば、職員の「能力」や「業績」を最も中心的な軸としていろいろな制度を組み立てる、という発想に立っているととらえることができるかと思います。 |
(3) | 最後に、「地方自治体における公務員制度改革の事例」として、東京都の人事制度改革を紹介しています。国レベルの話だけではわれわれの身近に迫ってこないので、地方におけるひとつの事例として取り上げたものです。東京都の方にとってはすでにご承知の内容ですが、他県市の事務長の皆様にとって、少しでも参考になるものがあれば幸いに思います。 |
2 第二部は「事務長職の現状と改革の動向」と題して、アンケート調査の結果をまとめました。これは、公務員制度改革を考える際の前提として、各都道府県市の事務長及び学校事務職員の人事制度等がどうなっているかを調べるとともに、あわせて、公務員制度改革などの動きに伴って、各県でどのような改革の動きがあるかを調べたものです。
その具体的な内容については、冊子「事務長の職務」をご覧いただきたいと思いますが、近年における事務長の職務内容の変化についての質問からは、事務長が学校経営にかかわる業務が重視されるようになってきた傾向がうかがえます。同時に、職員定数の削減・職務の多忙化などの厳しい状況があり、それに伴って業務の見直しや、業務の効率化が求められているところも少なくないようです。
この先、学校経営の一翼を担う事務長の役割がますます強まって、事務長の職務の重要性が増していくと考えられます。今後各都道府県市において具体化されていくであろう公務員制度改革において、こうした事務長職の重要性を十分に反映した、職制上・給与上の位置づけがなされることを期待したいと思います。